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花粉症

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2013年10月18日

花粉症の季節

アレルギー性鼻炎には、季節性のものと通年性のものがあります。季節性の方が「花粉症」で、季節によって花粉の飛ぶ植物が違うため、自分の体にとってアレルギー源となるものが飛ぶ季節に発症します。
花粉症の種類を大きく分けてみると、スギやヒノキ等の樹木の花粉症、ブタクサやヨモギ等の草花の花粉症と2つに分けられます。花粉症は日本ではまだ最近起き始めたばかりの病気です。1800年代頭に、イギリスの牧草地で枯草熱と言う症状が出たそうです。見た事もないその症状を調べてみると、今や花粉症の原因として知られているイネ科のブタクサが原因でした。それから100年以上経って1900年代後半になり、アメリカからブタクサが日本に持ち込まれたのですが、そこから日本でも花粉症研究がされるようになりました。そして1964年にスギ花粉症が見つかったのです。それを皮切りに今では50種類以上の花粉症が有ると言われています。日本では戦後焼け野原になった山林に大量にスギを植林し、それがブタクサより量的に勝っていた為、日本で一番多いのは樹木系のスギ花粉症と言われています。日本のスギは日本特有の樹木で外国ではあまり生息していないそうです。北海道の場合にはスギとヒノキの花粉の時期はほぼ一緒になります。また北海道にはシラカンバというこの地域特有の花粉が飛んでいて、時期としては5月上旬から6月中旬に多くなっています。ブタクサの花粉は北海道にはありません。戦後に植えたスギの木が40年以上たって成木となり、最も花粉をたくさん飛ばせる状態になったというのです。スギはさらに50年以上花粉を飛ばし続けるそうです。
樹木や草花は大抵花粉が飛散する時期が決まってるので、その時期に特に気を付ける必要が有りますが、イネ科の場合は1年中飛散する為に1年中花粉症で悩まされるそうです。自分がどの種類の花粉症かによって対策方法が変わってきます。自分が花粉症だと自覚しているのであれば、花粉症が出やすい季節を把握しておくことが大切です。花粉症の症状が出る前から対策をしておくことで、症状の解消を図ることができるからです。一般的に抗アレルギー剤を使用しますが、花粉が飛び始める2週間くらい前から服用し始めるのです。これによって初期の花粉症を抑えることができますから、結果としてかなりの症状緩和ができるのです。花粉が飛び始める時期は花粉カレンダーなどによって知ることができます。また、天気予報などの時にも花粉の飛散状況を知らせてくれるようになりましたね。
多くの人のアレルギー源となっているスギの場合はは2月から5月にかけて一番花粉を出します。その他にも品種によって少しずつずれています。春先なので3月や4月に花粉症の症状が現れます。
次に多いのはヒノキでスギの次の5月ごろになってくると症状が現れてきます。5月にはイチョウやコナラなども飛んでいます。6月ごろにはカモガヤが飛んでいます。イネ花粉の場合は関東地方と関西地方と九州地方では春と秋の2回飛びます。4月上旬から6月中旬、8月上旬から10月中旬に飛んでいます。北海道の場合は6月上旬から9月中旬にイネ花粉がよく飛んでいます。
8月から11月くらいまでの花粉症のアレルギー源として考えられているのは、キク科の植物でヨモギやブタクサやセイタカアワダチソウ、イラクサ科の植物でイラクサやカナムグラ等があります。ブタクサがよく飛ぶのは、本州では7月から10月、九州では9月から10月と秋に多いため、秋の代表的な花粉症の1つに挙げられています。ブタクサの花粉症の症状を訴える人は9月くらいから増えてきます。ブタクサの抗原性はとても強いです。さらにスギやヒノキなどの花粉によって体にだいぶダメージを受けたあとにやってくるため、体にもストレスが溜まっていて症状がひどくなることもあるそうです。ブタクサは荒れ地や野原、牧場や畑、道端などに生えている雑草で、背丈は低いもので30cm、高いものだと150cmくらいになります。ブタクサの花粉飛散量は増加傾向にあります。中でも1991年以降の増加が激しくなりました。1983年当時のブタクサの花粉飛散量と比較すると1991年は8.8倍もの飛散量、1996年には18.6倍もの飛散量があったそうです。飛散量増加の原因として考えられるのは、ブタクサ属のクワモドキという草が放置されているため河川敷などで繁茂して拡がったことが原因だとされています。カナムグラの花粉飛散量は1983年当時と比較すると1991年は0.95倍の飛散量、1996年には0.5倍の飛散量となっています。ヨモギの花粉飛散量は1983年当時と比較すると1991年は0.68倍、1996年には1.5倍の飛散量となっています。イネ科の花粉飛散量は1983年当時と比較すると1991年は1.3倍、1996年には1.4倍の飛散量となっています。このようにカナムグラやヨモギやイネ科の変化は微々たるものですが、ブタクサの増加量の多さは目を引きます。
ヨモギはブタクサと同じ風媒花で多年草の植物です。ヨモギはヨモギ餅など私たちになじみ深いものですが、ヨモギが原因で秋ごろに花粉症を発症する人もたくさんいるのです。ヨモギは低いもので60cm、高くて120cmくらいの高さがあります。ヨモギは空き地や道端、山や野原、畑や堤防、市街地などどこにでも生えている雑草で、私たちが日ごろ生活している範囲でよく見かけることのできるなじみ深いものです。身近な場所にあるだけに、花粉を吸い込みやすいのは辛いところです。ヨモギの花粉が飛ぶのは本州では8月から10月、九州では9月から10月です。夏には花を咲かせています。ヨモギ餅意外にも草餅など食材に取り入れられてきたり、薬草として使われてきたりしたもので、現在でも化粧水や入浴剤などにヨモギが入っているものがあります。ヨモギには殺菌作用や増血、浄血などの作用があるため、昔から止血するときにヨモギを使って傷口を止血していました。またヨモギを食べて起こるヨモギアレルギーとヨモギの花粉症は別のものなので、花粉症だからといってヨモギが食べられないとは限りません。体の中に長い年月をかけて蓄積されたヨモギの花粉が許容量を超えたとき、花粉症となるわけです。セイタカアワダチソウは虫媒花なので遠くへ花粉が飛ぶことはありませんからヨモギやブタクサほど脅威ではありません。
カナムグラは、ブタクサやヨモギの次くらいに多く見られる秋の花粉症のアレルギー源です。ツル性の1年草で、何かに巻き付きながら伸びていきます。とても繁殖力の強い草で、葉や茎についているトゲで周囲にあるものに巻き付きながら生きています。トゲは鋭く、道端に生えているカナムグラならガードレールやフェンスや電柱などどんなものにも巻きついていきます。自力で立たないため、ただ伸びているだけでどんどん高い位置に葉っぱをつけることができるのです。発生した場所には一面を覆うほどのカナムグラが生息します。カナムグラや空き地や土手や道端、荒れ地や林や畑などに生えています。花粉が飛ぶのは8月から10月で秋の代表的な花粉の1つとなっています。カナムグラは日本全国で見ることができます。8月から10月に紫褐色の花が雌花について、黄緑色の花が雄花につきます。そしてその花粉がほこりみたいに空中に舞うことで花粉症の原因となります。カナムグラもヨモギなどと同じで風媒花なので、風に乗って花粉を飛ばします。カナムグラの花を触ると花粉が出てくるのがわかります。あちこちに生えているため相当の花粉が飛んでいると思います。カナムグラは漢方としても使われていて、天日で乾燥させたら「葎草」という薬草になり、利尿作用や解熱作用があります。カナムグラはクワ科の植物で、抗原性は強いのですが花粉が飛ぶ量が少ないため、ブタクサやヨモギなどに比べると花粉症の患者数が少なくなっています。
このように1年中何かの花粉が飛んでいることになりますが、寒い季節や梅雨の時期などは花粉が飛びにくい状況となりますから、それほど心配することはありません。病院に行って、自分の体質がどのような花粉でアレルギー反応を起こすのかを調べてもらいましょう。すべての花粉に反応するわけではないからです。近年はスギ花粉が春だけではなく秋にも観測されています。異常気象などが原因と考えられていて、秋にも暖かい日にスギが花を咲かせてしまうといういわゆる狂い咲きによるものだと言われています。

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