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2013年10月18日

花粉症の食事療法

アレルギー体質の人は大体免疫機能が崩れていたり、腸内環境が崩れていたりする事が多いのです。こうした体質を改善させていく事で花粉症を和らげたり、完治に向かわせたりする事が出来るのです。体質改善に効果があるのが、食事療法です。日々の食事の中でアルコール等の刺激物を減らすだけでも改善に向かいます。花粉症に食事治療がどうして有効なのかということを理解するためにホルモンのお話をします。ホルモンといってもいろんな種類のホルモンがあります。花粉症やぜんそくなどアレルギーに関係するホルモンが「副腎皮質ホルモン」なのです。「副腎皮質ホルモン」の中でも特に「糖質コルチコイド」という物質がアレルギーに大きく関係しています。花粉症を始めとするアレルギーの薬として使われる「ステロイド剤」とは、この「糖質コルチコイド」のことです。アトピーや花粉症、ぜんそくを治癒させたいのならば、この「糖質コルチコイド」について理解しておかなければなりません。この副腎皮質ホルモンである糖質コルチコイドの働きには、過剰な免疫を抑制してくれる効果と炎症を抑えてくれる効果があります。ストレスに対抗するためのエネルギーを作る働きもあります。脳に働きかける効果があるので人間の集中力を高めてくれます。この副腎皮質ホルモンの分泌量が減ると、アレルギー症状を抑制する力がなくなってしまうのです。分泌量が減る原因としては、ストレスの他に、ビタミンなどの栄養素の不足のせいだとされています。ですからバランスよく考えられた食事治療を実践することが、ホルモンの分泌が正常になり花粉症予防、あるいは花粉症の症状を軽減することに繋がるのです。ステロイド剤で外部から与えるよりも、きちんと栄養を摂取してストレスもなくして、体内にてホルモンの働きが自然の流れでバランスよくできていた方がいいということです。

<ポリフェノール>
成分としてポリフェノールを含む食材は、花粉症の解消に効果がある食べ物です。ポリフェノールはたいていの植物に含まれていますが、実際の成分は少しずつ異なっています。5000種類以上もあることがわかっています。しかし、共通した特徴としては抗酸化作用があることです。それも強力な作用です。老化や健康障害を引き起こす活性酸素を除去してくれるのが抗酸化作用です。ポリフェノールを含む食材で有名なのは赤ワインでしょうか。プロアントシアジニンと言うポリフェノールです。またお茶にはカテキン、大豆には大豆イソフラボン、そばにはルチン、コーヒーにはクロロゲン酸、玉ねぎにはケルセチンなどがあります。ポリフェノールは最近特に注目されている成分です。花粉症の解消を考えるならば、免疫力を高めてくれるビタミンやミネラル、そしてポリフェノールを摂ることです。
トマトから抽出される成分の中に、花粉症の症状であるくしゃみや鼻水などを緩和できる成分が含まれていることがわかったそうです。これはトマトの皮の部分にあり、トマト特有のポリフェノール成分の「ナリンゲニンカルコン」であることが研究によりわかりました。この「ナリンゲニンカルコン」はトマトの赤さを出している色素成分です。この成分にヒスタミンの抑制効果があったのです。しかしながら私たちがスーパーなどで買う一般的な生食で食べるトマトには「ナリンゲニンカルコン」はほとんど入っていません。生食用よりも加工用や調理用として売られているトマトの方に多く含まれているそうです。ケチャップと、トマトジュースの場合は加工時に果皮を取り除いてしまうのでこれらの製品にはほとんど入っていません。そのためトマトジュースを飲み続けてもそれは花粉症の症状を緩和できる食事治療効果は得られないのです。また加工用のトマトを生でそのまま食べてもあまり効果が実証できていないそうです。ですから加工用や調理用のトマトを買ってきて、うまく料理に使って食生活の中で自然に摂取するようにしていけば、花粉症の症状緩和に効果が見られるかもしれません。
同じくポリフェノールを含むものとして、花粉症に効果があるとされる「甜茶」があります。「甜茶」を飲んだり飴で食べたりすると花粉症の症状に効果があるとされるのはこの「ポリフェノール」が含まれているからです。甜茶にはその材料の違いから、アカネ科、ユキノシタ科、ブナ科、バラ科の4種類があります。甜茶の中でアレルギーの抑止が期待できるのは、「GOD型のポリフェノール」を含むバラ科のものだけです。花粉症対策として甜茶を購入する際には、成分欄を必ず見てGOD型であるか確認するようにしましょう。
またシソにも「ポリフェノール」が含まれています。シソのポリフェノールは「ロズマリン酸」と言うもので炎症抑制効果があるそうです。お刺身を食べるときにそのまま食べるよりもシソと一緒に食べるなど、シソもうまく摂取できるように工夫して食事治療に利用したいものです。シソには魚と同じくアレルギー反応を抑えてくれるα-リノレン酸と言う物質が含まれます。更に免疫機能を正常にしてくれる成分がシソにはあり、特に赤シソに多く含まれます。シソ含まれるα-リノレン酸は体内でEPAやDHAに代謝される成分です。

<ビタミン>
キノコ類も花粉症に効果が有る成分が含まれていると言われていて、免疫機能が低下していて起きる花粉症の症状を免疫機能を上げる事で解消させていきます。そんなキノコ類にはたくさんのビタミンB群が含まれています。オススメはキノコを使った煮込み料理や鍋料理です。ビタミンB群は水溶性で有る為に煮込む事でスープにビタミンBが流れ出ますのでスープを残さずに食べて欲しいと思います。次に花粉症に効果が有る食材として有名なのがシソです。シソもキノコ類と同じく免疫機能を向上させて元の状態に戻してくれる作用が有ります。またα-リノレン酸と言う成分も花粉症に効果が有り、悪玉コレステロールを退治させてくれる効果が有るです。他には薬味として好きな人も多いワサビです。ワサビのツンとした香りが有りますよね。この香りはイソチオシアン酸アリルと言う物で、花粉症の症状を出す成分とくっついて花粉症の症状を無い物としてくれる効果が有ると言う優れ物食材なのです。更に花粉症では鼻水が出てきますので鼻詰まりも起きて苦しいですよね。でもこの鼻詰まりもワサビの臭いが鼻の粘膜に働きかけてくれて解消させてくれるのです。この様に花粉症の症状を和らげてくれる食材はたくさん有りますので積極的に食べて頂きたいですよね。
体の持つ本来の機能を活発化させるためにはビタミン、ミネラルは必須です。ビタミンのなかでも、特にビタミンB6は、免疫機能がうまく働くためには必要な栄養素です。これが不足してしまうと、アレルゲンの影響を受けやすくなり、症状が出やすくなります。花粉症は、目の粘膜や、鼻の粘膜に炎症が出ます。この炎症はかゆみとなってあらわれますが、からだの中に、活性酸素が増えると、その炎症はもっとひどくなります。ビタミンC、ビタミンA、ビタミンEが、活性酸素を撃退する抗酸化作用のある栄養素です。ですから、食事療法として、花粉症にはビタミンが大切と言われているのです。また、ミネラルですが、そのなかの亜鉛がキーとなっています。亜鉛が不足してしまうと、免疫機能が低下してしまいます。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、加工食品には亜鉛の吸収を妨げるものが含まれています。食品添加物を多く摂っていると、活性酸素が増え花粉症も悪化します。

<魚>
普段の食事に「魚」を取り入れる事で体質改善か出来て花粉症を自己治療として改善させていく事が出来ます。体質改善と言うのは地道な作業になります。食事で一度魚を食べたからと言ってすぐに体質改善が出来ると言う物ではありません。食べた食事から体内で細胞が新たに作られていき、古い細胞を追い出し新しい細胞に入れ替わるまでの数ヵ月間で良い細胞を作っていこうと言う長い道のりなのです。その細胞作りに魚が利用出来るわけです。花粉症には青魚が良いとされます。魚にはEPA、DHA、α-リノレン酸と言うアレルギー反応を抑えてくれる作用の有る不飽和脂肪酸がが多く含まれています。特に青魚に多く含まれているとされます。タンパク質が良いのであればお肉などの動物性タンパク質でも良いのではないかと思うと思いますが、逆にアレルギー症状を悪化させると言われています。

<ヨーグルト>
厚生労働省では花粉症対策に効果のある食べ物としてヨーグルトをあげています。ヨーグルトと花粉症の解消について紹介しましょう。アレルギー反応は、体の腸の働きが影響していると言われています。腸の中には免疫システムの60%以上があり、腸内環境が悪化すると免疫機能に大きく影響を与えます。つまり、腸の調子が良ければ花粉症にもなりにくいと言うことです。牛乳や肉、砂糖などをたくさん摂取していると腸壁が傷ついてしまいます。腸壁が傷ついてしまうことにより、通常では入り込むはずのない大きな物質である分解されていないたんぱく質が腸壁から侵入してしまうのです。通常人間の体内において腸壁には小さい分子のみを取り込んで、形を再合成します。つまり大きな分子が腸壁をそのまま通過してしまうことが異常なのです。大きな分子が侵入しようとすると、体内の異常センサーである免疫システムが反応して物質を排除しようとします。食べ物に対して繰り返し免疫細胞が出動していると腸の免疫バランスが崩れてしまうのです。これが一般的な食物アレルギーの発生する仕組みです。腸の中では、腸内細菌が血中にある白血球と連動することによって、体内の免疫システムを正常に保っています。つまり腸内細菌が元気で健康ならば分解されていない大きなたんぱく質が腸壁に侵入してきても、正しく異物を判断して免疫反応を起こさないのです。
腸の調子はヨーグルトによって確実に改善されるため、ヨーグルトが花粉症の解消に役立つと言うことになるのです。なぜヨーグルトが花粉症に効果があるかというと、ヨーグルトに含まれている乳酸菌の働きで人間の腸内にある細菌バランスを整えることができます。腸内環境を整えることで、腸内の膜が丈夫になって花粉症にも対抗できるというものです。またヨーグルトの中にはメチル化カテキンといって強力にアレルギーを抑制する効果がある物質が含まれています。このメチル化カテキンを多く含むものとして他には「凍頂鳥龍茶」があります。通常の烏龍茶を飲むよりもこの「凍頂鳥龍茶」を飲み続ける方が花粉症に効果があるとされるのはこのためです。症状を和らげる効果があることが認められているのです。最近はヨーグルトに色んな作用が有る菌が配合されている機能性ヨーグルトが増えています。その中でもL-92乳酸菌が含まれているヨーグルトや、KW乳酸菌が含まれているヨーグルトが花粉症の症状を抑える効果があるとされています。
花粉症対策としての健康サポート飲料もあります。「インターバランス」はカルピスが販売している飲料ですが、花粉症に強い体を作るためのものだそうです。アレルギー性鼻炎に対する効果が認められている機能性乳酸菌L-92を配合しています。

<アレルギー症状を抑え免疫機能を高める食材>
レンコンに効能があります。レンコンが花粉症に良いと言うのは、日本アレルギー応用研究所と言う医薬品メーカーの研究成果だそうです。レンコンに含まれている成分がアレルギー症状を抑えてくれるのです。一般の薬ではアレルギーを抑えることは免疫力を弱めることになり、風邪をひきやすくもなるのです。しかし、レンコンの場合は逆に免疫力を活性化してくれるのだそうです。有効な成分はムチン、タンニン、ポリフェノールなどです。ムチンはレンコンのネバネバの成分です。また、レンコン単独ではなくヨーグルトを一緒に摂ると、相乗効果が発揮されることもわかっています。レンコンや乳酸菌は副作用もない健康食品なのです。
ハト麦は昔から病気の治療だけでは無くて美容健康食品としても使われてきました。ハト麦には花粉症の症状を出す免疫機能を改善させる作用が有り、花粉による引き起こされるアレルギー反応を抑えてくれます。その他には海藻類も花粉症対策としてとても効果的な食材となります。海藻類にはたくさんの食物繊維、ビタミン類が含まれていて免疫機能を高めてくれる作用が有ります。その中でも特に凄いのがスピルリナと言う成分だそうで免疫機能の向上だけじゃなくて抗ガン作用も有ると言う事でとても注目度が高い成分だそうです。また日本人が大好きな食材としては納豆が挙げられます。納豆には免疫機能を上げると言うよりは、花粉症の症状を引き起こす成分を分解させてくれる分解酵素がたくさん含まれています。この分解酵素のお陰で花粉症の症状を改善させて行く事が出来るのです。中国では黒米は長寿米として知られています。栄養価がとても高い米でミネラル分やアミノ酸も豊富に含まれています。ミネラルやアミノ酸の働きによって免疫細胞の新陳代謝が促される効果があります。よって免疫ができることにより花粉症にも効果があるのです。
玄米は体内の酵素を増やしてくれる生命力のある食材です。玄米は花粉症やアトピーなどのアレルギーに必要なマグネシウムやナイアシンなどの栄養を白米よりも豊富に含んでいます。花粉症を始めとするアトピーの食事治療において玄米は有効な食事であると言えます。玄米とは、イネから籾殻をはずした状態のものを言います。そこから果皮、種皮、ぬかをはずした状態のものを胚芽米と言います。そしてさらに胚芽をはずしたものが白米なのです。玄米から白米に精製されるときに、栄養分である酵素がどんどんなくなって行くのです。例えば果皮に含まれているセルロースには腸内をきれいに整えてくれる作用があります。そしてビタミンを生成します。
また味噌や納豆、ぬか漬けなどの発酵食品には酵素がたくさん含まれているので体の中で命の源であるエネルギーに換える事ができます。天然醸造の味噌には酵素のほかにも乳酸菌が豊富です。乳酸菌は腸内環境を整え、花粉症などのアレルギー症状にいいのはヨーグルトと同様です。さらに味噌の中にはオリゴ糖が含まれているので、腸内活動を活性化して善玉菌を増やしてくれます。味噌汁を作るときに気をつけることは、煮立った場所に味噌を投入しないことです。酵素は熱に弱いものです。せっかくの栄養分である酵素が熱によって消滅しないように気をつけましょう。

以上から、花粉症には和食を基本にすることがよいことがわかります。野菜はたくさん食べましょう。野菜には花粉症の原因となる刺激物質を体内で増殖させない働きがあります。野菜のほかにも豆や海草にも同じくマグネシウムやビタミンがたくさん含まれているのです。また緑黄色野菜には豊富にβカロチンが含まれているのです。このβカロチンが鼻や目や腸の粘膜を強くする働きを持っています。粘膜が強くなれば花粉が粘膜に付着しにくくなり、花粉症の症状も軽減できるというわけです。緑黄色野菜の中にはポリフェノールやビタミンCが豊富に含まれているものがあります。これらには抗酸化作用があります。他にはきのこや大豆食品、穀類も鼻や目の粘膜を強くする働きを持っています。食事治療においては、緑黄色野菜をまんべんなく摂取し、和食をベースにすることです。

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