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2013年10月18日

リノール酸と花粉症の悪化

花粉症の症状を悪化させてしまう食事と言うのも有ります。その代表的な物が「揚げ物」です。揚げ物は唐揚げやコロッケ、天ぷら等、大好きな人が多いですよね。しかし揚げ物に使われている食用油が、花粉症等のアレルギー症状を引き起こしてしまう原因になっていると言われていて、花粉症の症状が出始めた時には特に食べてはいけないとされています。食用油の中にはリノール酸と言う成分が含まれています。悪玉コレステロールを体内で抑えてくれる効果が有るとして身体には良い成分のはずなのですが、このリノール酸は実はアラキドン酸と言う物質に体内に入ると変わってしまうのです。そしてアレルギー症状を出してしまう物質を作り出してしまうと言う性質を持っています。つまり揚げ物を食べるだけで花粉症の症状が出てしまう成分を体内で作り出していると言う事になるのです。
油は大量の化学溶剤を入れて作られます。これが「油」にゆがみをもたらして、アレルギーの原因となっているのです。料理の上で「油」をはずすことはできません。少なからずどんな料理にも「油」が使われているからです。「油」の中には花粉症、アトピーなどアレルギーを促進するものと、抑制するものがあります。油の中で「リノール酸」はアレルギーを促進するものです。「リノール酸」を含む主な油には、サラダ油やべに花油、大豆油などがあります。「αリノレン酸」はアレルギーを抑制するものです。「αリノレン酸」の主な油には、しそ油や魚油などがあります。しかしこれは酸化しやすい油なので調理に向かない油です。「αリノレン酸」が多く含まれている食材には、かぼちゃやネギ、白菜、大根などの冬野菜、ピーマン、トマト、キャベツ、ほうれん草、しそなどの野菜、青魚、大豆、みそ、海藻類、果物などがあります。しそ油を利用して、しそドレッシングなどを作ることもできます。またしそ油のサプリメントなどもありますから、食事治療の一貫として利用するといいでしょう。「オレイン酸」は花粉症、アトピー、ぜんそくなどのアレルギーに対して中立です。促進もしなければ、抑制もしません。「オレイン酸」は調理向けの油です。「オレイン酸」の主な油には「オリーブ油」があります。
<リノール酸>
まず、リノール酸について解説していきましょう。リノール酸とは、『Linoleic acid』という綴りの英語で表記される事もある必須脂肪酸の一つです。必須脂肪酸というのは、体内において自然と合成される事がない為、体外からの摂取が必要とされている脂肪酸です。つまり、食物によって摂取する必要がある栄養素というわけです。また、リノール酸は複数の不飽和の炭素結合を持った『不飽和脂肪酸』の一つでもあります。リノール酸は、なければないで困った事になる脂肪酸です。というのも、リノール酸が体内にある事で、血中コレステロールを下げる役割を担ってくれるからです。また、それ以外にも体内における必須成分と言われる『アラキドン酸』や『γ-リノレン酸』に変貌する為、体の内部の必須成分を摂取する為には必要な成分です。しかし、問題視されているのは、過剰摂取なのです。必要摂取量を超える摂取を行うと、マイナス面が働き、そこで花粉症対策の妨げとなってしまうのです。
リノール酸が医学的、あるいは科学的に注目され始めたのは、1950年代です。アメリカの研究者が、リノール酸について『血中コレステロール値を下げる効果がある』という発表を行い、実証され、それを受けて動脈硬化の治療や予防に使用されるようになりました。しかしその後、過剰摂取をする事で弊害が生まれる事が発覚し、さらに熱に弱い事も判明。150℃以上に加熱する事で人体に様々な悪影響を与える物質を発生させてしまうという研究結果が出た為、リノール酸は一躍、『悪役』となってしまいました。そして現代、リノール酸の過剰摂取が花粉症悪化の要因の一つとされています。
リノール酸を摂取する事は、基本的には悪い事ではありません。また日常生活において食する物に多分に含まれているので、摂取しないというのは困難です。リノール酸を摂取すると、血液中のコレステロール値が低下します。これは良いのですが、過剰摂取すると善玉コレステロールまで低下してしまいます。そうなると、善玉コレステロールの役割である体内の不必要なコレステロールの回収が行われなくなり、コレステロールが溜まり、血管に沈着してしまい、動脈硬化の原因となります。肝臓の働きも悪くなります。そしてリノール酸に含まれる『ロイコトルエン』や『プロスタグランジンE2』の過剰摂取により『炎症性を高める』結果となり、アトピーや喘息、花粉症の症状の促進を体内で行ってしまいます。
よって、花粉症対策のためには、リノール酸の過剰摂取を押さえることが必要となります。リノール酸は、体内で自然に作られるものではありません。体外からの摂取によって補われる成分です。摂取量のコントロールを行うには、リノール酸がどのような食物に含まれているかを調べ、それらの食物の摂取を控えれば良いわけです。
<リノール酸を多く含む食材>
リノール酸の1日の必要摂取量は1,000mg前後とされています。従ってこの値を超えないようにリノール酸を含む食材の摂取をコントロールすればよいわけです。
べに花油やひまわり油は、一般的にサラダ油よりも良質の油とされます。べに花油はサフラワー油とも呼ばれ、サラッとしたクセのない油です。その為、油臭さがなく、よくドレッシングに使用されています。一方のひまわり油はサンフラワー油とも呼ばれており、植物のひまわりの種子から作られている事もあり、ミネラルやビタミンなどを含んでいる油です。健康に良いと言われており、家庭でよく使用されています。味わいも上品でまろやかなので、揚げ物に使用するとかなり食べやすく、胸焼けを起こさない油としても有名です。この2つ、特にべに花油はリノール酸をかなり多く含んでいる油です。
コーン油や大豆油もリノール酸をかなりの割合で含んでいます。コーン油は酸化安定性が良いので過熱する料理に向いており、大豆油は加熱しない料理が望ましいと言われています。香ばしい匂いが食欲をそそるコーン油は、しばしば揚げ物に使用されます。サラダ油はこれらの混合です。
ごま油は、リノール酸の占める割合はサラダ油より少ないですが、高い値を示します。ごま油は、基本的には大量に使用する油ではありません。最近ではごま油を使ったドレッシングなどがあり、大量摂取してしまう可能性はあります。
『べにばな油』は72%がリノール酸、『ひまわり油』が65%、『綿実油』が54%、『大豆油』が49%、『コーン油』が47%、『ごま油』が42%です。
油以外の食材では、『くるみ』が41%と高く、『ブラジルナッツ』、『松の実』、『いりごま』が25%前後となっています。他に、『ピーナッツ』や『アーモンド』、『高野豆腐』などが10%を超えます。
ピーナッツは半分以上が脂質で、その脂肪の約3割がリノール酸です。アーモンドやピーナッツを100g食べた時点で、一日のリノール酸の必要摂取量を超えている計算になります。過剰摂取には気をつけるべき食材です。
鶏肉には、コラーゲンやオレイン酸、あるいはビタミンAやB6などたくさんの体に良い栄養素が含まれていますが、リノール酸も含まれています。そのため、サラダ油で作る鶏の唐揚げは、リノール酸の宝庫といえます。
黒豆もリノール酸を含みます。高血圧予防に最適と言われているのは、リノール酸を含んでいるためです。黒豆を食べる事自体は、花粉症対策の邪魔にはなりませんが、食べ過ぎには気をつける必要があります。
リノール酸を含む食品はたくさんありますが、基本的に気をつけるべきなのはリノール酸を多分に含む油です。油物さえ控えていれば、他の食材に関しては過剰摂取しなければ気にする必要はありません。

<リノール酸をあまり含まない油>
理想的なのは、しそ油です。しそ油とは、その名の通り『シソ』を原料とした油です。シソ科である『エゴマ』という植物を使うため、エゴマ油とも呼ばれます。しそ油のリノール酸含有率は、10%程度です。べにばな油の72%からすると、かなり差がある事がわかります。ブレンド油であるサラダ油はブレンド割合によって各社異なりますが、40%以上のコーン油や大豆油を使用している以上、かなり高い事は間違いありません。これらと比較しても、10%は格段に低い数値です。しそ油はリノール酸の代わりにα-リノレン酸を多く含んでいます。α-リノレン酸には花粉症悪化の要素はなく、必須脂肪酸ながら体脂肪になりにくく、ダイエット効果もあるとされてます。ただ、しそ油は価格がかなり高く、店頭価格だと1,000gで300〜400円程度のサラダ油と比較し、その20倍くらいします。大体110gで900円前後といったところです。
食用油の中ではややマイナーとも言えるアマニ油。これは『亜麻仁油』とも表記する油で、アマという植物の種子から採れる油です。食用だけでなく、油絵具のバインダー等にも使用されています。
アマニ油は一般家庭で使用されることはあまりないのですが、健康食品としては近年注目度が上がっており、食用ではあるものの加熱調理に使われるのではなく、直接飲むなどの方法で摂取される事が多いようです。というのも、加熱するとオメガ3脂肪酸という健康上有益な成分が破壊されてしまうからです。よって、アマニ油はドレッシングに使用される事が多いようです。このアマニ油もリノール酸が10%強と非常に含有率の低い油です。アマニ油の価格は大体しそ油と同じくらいで、100gあたり900円程度です。通常のサラダ油が100gあたり30〜40円程度ですから、20〜30倍くらいの価格になってしまいます。ですから、揚げ物に使用することはまず考えられません。加熱しない方が身体により良い油なので、ドレッシングに使うなどの調理法が好ましいでしょう。
リノール酸の量がアマニ油やしそ油並で、尚且つ価格はそこまで高くはない油がオリーブオイルです。オリーブオイルは、リノール酸含有率10%程度です。α-リノレン酸がほとんど含まれていないのでプラスアルファはありません。価格は、サラダ油の4〜5倍程度です。

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